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積極表示とは?

Cotoboxサポートチーム2025-12-04

特許庁の審査では、商標権を取得する商品・サービスの範囲が**明確**であることが求められます。

指定商品・役務は、多くの場合、特許庁が定めた広いジャンル名(包括概念表示・個別表示)から選択しますが、特許庁のリストにない文言へ変更する(積極表示)ことも可能です。

本記事では積極表示の解説を中心に、指定商品・役務を選ぶ際のポイントを解説します。

近い指定商品・役務をご選択いただき、お申し込みください。

Cotobox検索画面に表示される指定商品・指定役務は、特許庁が示す審査基準の見出し一覧をベースにしています。

そのため、ニッチな商品・サービスについては、該当する指定商品・役務が見つからない場合もございます。

この場合は、**近しいと思う指定商品・役務を選択してお申し込み**いただき、担当弁理士へご相談ください。

担当弁理士が適切な指定商品・役務をご提案いたします。

商品・サービスの内容や商標の内容に合わせて、戦略的に記載します。

指定商品・役務はその表示方法によって、商標権の権利範囲や価値を左右するものでもあります。主に下記の表示で記載されます。

①包括表示

特許庁の刊行する「類似商品・役務審査基準」内で定める、広い概念での表記を言います。

1つの用語で広い範囲をカバーできるため、社名・社章や、将来的な事業展開が見込まれる商品・サービスに使用される商標の出願に向いています。

メリット:包括表示で出願しておけば、審査の過程で権利範囲を絞りたい場合に、その中に含まれる「個別表示」へと補正(修正)することが認められています。

例)

「野菜」、「被服」、「娯楽施設の提供」など

②個別表示

包括表示の中に含まれる、より具体的で限定された商品の名称での表記を言います。

メリット:実際に取り扱う商品に直結した名称で指定するため、出願書類を閲覧したときの権利範囲が明確になります。

例)

包括表示「被服」→個別表示「ジャケット」、「スカート」

包括表示「運動施設の提供」→個別表示「ゴルフ場の提供」「スキー場の提供」

③積極表示

実際に商標を使用する商品やサービスの内容に合わせた、具体的な表記を言います。

下記のような商品・サービスにおいては、指定商品・役務の記載を限定的に表記して確実に保護することができる積極表示が有効です。

- どの区分に属するのか紛らわしい商品・サービス

- 特許庁のリストにないニッチな商品・サービス

- これまでにない新商品・新サービス

メリット:包括表示や個別表示のみでは明確に表現できない商品・サービスについて、保護したい商品・サービスのジャンルの範囲内で確実に商標を保護することができます。

例)

個別表示「ジャケット」→積極表示「防水用ジャケット」

包括表示「運動施設の提供」→「エアロビクス・フィットネスのための運動施設の提供」

①不使用取消審判で取り消されにくくなる

商標は、指定した商品・役務の範囲で3年以上使用しないと、取り消される可能性があります。

しかし、積極表示により確実に商標を使用する商品・役務の範囲に限定して権利を取得すれば、不要な範囲で商標権を取得してしまうことを防止でき、取り消しリスクも軽減できます。

②商標を使用する商品・サービスが明確になる

仮に、「eスポーツの大会」の名称を商標登録したいとします。

包括表示で記載すれば第41類「娯楽施設の提供」や「興行の企画・運営」を選択することもできますが、他者が公開公報を見た時に、正確なイベント内容が伝わりません。 そこで積極表示を行い、指定役務を「eスポーツの大会の企画・運営」と表記することで、他者から見てもサービス内容を明確に表示することができます。

③商標を保護したい範囲で、確実に保護できる

仮に、ラジオと時計の機能が合わさった商品のネーミングを商標登録したいと考えた場合、「ラジオ付き時計」と「時計付きラジオ」では区分や指定商品が異なります。

このケースのようにニッチな商品・サービスに使用する商標については、積極表示をすることによって、確実に商標権を取得したい範囲でピンポイントに商標を独占することができます。

④審査に通りやすくなる

願書に記載した指定商品・役務の内容が不明確だと、特許庁での審査がスムーズに通過できません。積極表示は商品・サービスの正確な内容を、そのまま「指定商品・役務」として願書に記載するため、不明確であることを理由に拒絶される可能性は低くなります。

また、用途を明確に限定することで、全く関係のない他社の先行商標とぶつかるリスクを減らしたり、消費者への品質の誤解を防ぐ効果もあります。

①商標権の権利範囲が狭くなる

商標権の権利範囲は指定商品・指定役務の記載によって決まるため、包括表示の中から選択した場合よりも、積極表示した場合の方が権利範囲が限定されます。

第三者が登録商標を指定商品・指定役務以外に使用しても、商標権者は権利行使をすることができません。

②取りこぼしの可能性がある

事業拡大等により、登録商標を使用する商品・サービスが後発的に増えた場合は、再度出願手続きを行わなければ、その範囲内で商標を保護できない点にも注意が必要です。

例)

出願時には指定商品を第45類「ビジネスパートナーの紹介」(積極表示)として出願&登録したが、事業拡大により、同じ商標を使って第45類「交際相手の紹介」(包括概念表示)も行うこととなった場合。

③第三者に事業動向を知られる恐れがある

発売前の新商品・提供前の新サービスについての商標を出願した場合、指定商品・役務を過度に詳細に記載すると、第三者が商標公報等を閲覧した際に事業動向が知られてしまう恐れがあります。

特許庁のファストトラック審査(通常より早く審査結果が出る制度)を利用するためには、指定商品・役務を「審査基準等に掲載されている表示(基準等表示)」のみで記載する必要があります。

独自の具体的な名称で「積極表示」を行った場合、基準等表示から外れてしまい、ファストトラック審査の対象外となって結果的に審査が長引く(通常の審査期間になる)リスクがあります。これを「デメリット」の項目に追記すると、実務的な注意点として読者の役に立ちます。

これらの表示方法は、商標を使用する商品・役務の特徴や商標権の活用方法に合わせて、柔軟に採用することができます。

積極表示は将来の事業計画等に合わせ、メリット・デメリットを踏まえてご検討いただく必要がございます。

初めからパターン2・3をご希望の場合は、近しい指定商品・役務を選択してお申し込みいただき、積極表示を希望する旨を担当弁理士へご相談ください。